これ以降、完全生産限定版1巻目、 3巻目付属CD聞いていない方にはネタバレです。完全生産限定版連載のウメ先生四コマにも若干言及します。さらに本編を全部見ていないとネタバレです。(前提多いな)
1巻封入のCDはですね。ぶっちゃけ本編補完というか、いわゆる1週目のエピソード補完というか。
ほむらがいかにしてまどかと出会い、なぜ魔法少女でもないのにワルプルギスの夜に同席してたか、とか、先輩魔法少女としてのマミさんの立ち位置とか、そういう、ね。準公式ストーリーだったんですが。
3巻付属のCDは、付録CDにありがちな if もの。どうしてこうならなかったのか?的な。
魔法少女業で忙しいまどかが成績を落として、さやかとマミさんちで勉強を教わるはずが、5人魔法少女勢揃い、楽しいお茶会から、仁美の家に使い魔が!が勘違いでよかった、から、みんなで食事して、まどかが門限で解散、帰宅してお風呂入ってQB進入という。
一通りネタを全部押さえてあり、「放送前にはこういう作品だと思わせておきたかったんだろうなあ」てきな仕上がりの、まあ良くあるCDドラマなんですけれども。
まあ、普通そういう類のものって、別に考察する要素もないわけですよ。なんというか、こうだったらよかったのにねーっていう、ある種の願望をただ定着させただけなので。
が
恐るべし、魔法少女まどかマギカ!
ふつう、こう言うのって、本編準拠のキャラ設定でなかったり、楽しい雰囲気にするためにキャラ違いになる事があったりしてたり、性格が極端にデフォルメされてたりするもんだと思うんですが。
恐るべき事に、キャラクター設定は本編ほぼ準拠。ほむらは若干同人で良くある設定に引きずられているけど、本編内許容範囲になんとか収まっているという……
QBすらonキャラクターですよ。そこを逆に使って笑いをとったりはしてますが……。
そうか、あのキャラクター造形って、そのまま普通の魔法少女もの作れるんだ……という、前から思っていた感じをより強く持ったというか。 本当にボタンのかけ具合だけだったんだなあという。
まあ、5人出している関係上、一ヶ月のどの時期かっていうのはすごく難しいし、楽しくやる前提として、(もしくはすでに5人が魔法少女になっているが故に)明らかになっていないと思われる悲劇要素とかは結構んじゃないかと思うけどね。(魔女は結局魔法少女から生まれるとかは誰も知らないようだし)
でね、特質すべき3巻付録CD独自設定
- 5人(マミ、杏子、ほむら、まどか、さやか)が、魔法少女契約済み
- QBは基本的にマミさんの家にいる。が、テーブルの上にのるなとかソファーの上にのるなとかカーテンに上るなとかネコ扱いされている。
- 仁美とさやかはお互いに恋のライバルだという自覚がすでにある(ので、さやかはまだ自分がライバルたる資格を持っていると思っている。それが、ソウルジェムの秘密を知らないからか、知っていてもなおそれは問題じゃないと達観できたのかは不明)
- みんなでお食事の時に、QBさんは同じものを分けてもらうのではなく、キャットフード(缶詰のようなのでおそらくウェットフード)を用意され、その機能的かつ合理性に魅了される
- まどかとさやかはQBに仁美には手を出すな、と主張する(=魔法少女にはリスクがあり、不可逆だと言うことは知っている)
- ほむらは「時間を止めてカンニングするとか考えたことはなかった」というくせに、まどかの秘密の落書き帳(必殺技名候補)に言及する。しかもまどかはなんで知っているのかは疑問に思わずに、必殺技名がどれもセンスがないという忠告を素直に受け入れている。
- まどかがお風呂に入っているときに、QBが進入するが、まどかに拒否られる。そのときのやりとりが「君の裸を見ても僕は何も感じないよ」「感じなくてもだめなの!」であることから、QBは感情がない種族だと言うことは周知の事実っぽい。
ということから、時間軸としては、基本的にほむら情報をみんな信じているが、ほむらは魔法少女が魔女だと言うことを伝えてないという(まあ流れとしてはちょっと無理があるかもしれない)時間軸のようだ。ちなみに、ほむほむのタイプはHOMU II(クールホム)である。まどかリボンはまだ装備されていないので指揮官型ではない。
まあ、総合的に考えて、第4タイムラインでみんなが(特にマミさんが)精神のよりどころをなくして、チームが自壊していったあと、ほむらがあきらめて一人で戦う事を決意する前に、伝える情報をコントロールすることで悲劇を避けようと試みたとしたら、こうなってたのかなあとか。その辺のエピソードとして十分許容できる範囲だなあという点で、この作品の底の知れなさというか、恐ろしさを感じたわけですよ……。
……ある意味一番普通の同人っぽい、ウメ先生公式4コマも、ギャグものだからCDよりはキャラの乖離はあるものの、そんなにものすごくキャラ離れしてる訳じゃないんだよね。その辺もすげえなあとか。
っていうか、コミカライズ、スピンオフ、スピンアウト、いずれも未見なので、その辺は噂を元にした判断になるけど、あんだけ本編に隙を作っておいて、でも、普通に同人で思いつく安易なネタは公式がつぶしていくという、ある意味魂を揺さぶられる、挑戦的な作品ではなかろうか、この作品は。
てな感じで。つぎは考察をいったん完結させます。できるかぎり……(ちょっと弱気)