それは静かに始まる。 怒濤への序章でしかなかった、小さな出来事の話。
我々は、秋葉原駅の改札口前にいた。 パーティーのメンバーは、 「ぴかちう」、「おでこ萌えの人」、「カメラの人」、 そして、僕こと「恭ちゃん萌えの人」(いずれも仮称) である。
そもそも、普段は誰よりも早く到着しているはずの「カメラの人」が、 最後に到着した。このことからして、 いやな予感を感じさせるのに十分な出来事であったのだが、 我々は、これから目の前に展開されるであろう甘美な食べ物への期待から、 僕より遅かった彼に「遅刻大魔王」の称号を与えるだけで満足していた。 ちなみに、僕は「遅刻魔王」である。
* そして、動き出す、闇の微笑み
そうして、出発した我々の前に、ほどなく現れたのは、 予想だにしていない状況であった。
目的地、万惣のシャッターは閉まっていた。「定休日: 祝祭日 日曜日 第1、第3土曜日」
シャッターの文字が示す通り、その日は第3土曜日であったのだ。 我々は、力なくその場に座り込んだ…………
* そして、旅立ち
我々は、その足を秋葉原の雑踏へ向けた。 そしてひとしきりショッピングをし、装備を整えたところで、 夕食の時刻となった。 「おでこ萌えの人」の提案、「万世」でのスープバー&ステーキは即時却下された。 それに変わる、新たなる提案。 それは、「ぴかちう」から発せられた。 「新宿のしゃぶしゃぶ食べ放題」である。